「イスキア」名前の由来
街のイスキアは、故佐藤初女(さとう・はつめ)氏が活動されてきた、憩いとやすらぎの場である「森のイスキア」から命名を頂きました。苦しむ人、方向を見失った人、助けを求めて訪れるすべての人を受け入れ、心をこめた料理でもてなし生活を共にしてきた「イスキア」が、命をうつしかえて青森から東京の街の中に誕生いたしました。
佐藤初女さんは、青森県の岩木山のふもとで、苦悩を抱えた人たちの話に耳を傾け、素朴な手作りの「おむすび」で心を癒すーそんな地道な活動を続けていた方です。初女さんは、生きる意欲を失った青年が、自然の中で自分を取り戻したと伝えられるイタリア・イスキア島にちなみ、自分もそのような場を創りたいという想いから、自分のされている活動を「イスキア」と名付けていました。
初女さんは1995年製作のドキュメンタリー映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第2番」で紹介され、一躍有名となりました。日本全国で「食はいのち」と訴え、食事の大切さ、氣づきをもち、丁寧に生きていくとを唱え続けていました。
そんな初女さんの生き方、在り方に感銘を受けて、今から12年ほど前に講演会を企画したことから、初女さんとの縁がはじまりました。初女さんの教えて頂いたことを、看護で活かしていきたいという想いが募り、事業所の名前を「街のイスキア」と名付ける許可と応援のエールを頂きました。
「街のイスキア」でかかわった人達が、体と心が癒され、自分らしく日々の暮らしができるように活動をしていきたいと思います。
森のイスキアを主催されている佐藤初女さんは「イスキア」命名の由来について、次のように述べておられます。
「イスキア」とはイタリアの南西にある火山島の名前ですが、私達はこの「イスキア」を心のふるさと、どうにもならない程の重荷を感じたとき、そこへ行けば、癒され、自分を見つめ、新たなエネルギーを得て、生き生きとして自分の現実へ立ち戻ることのできるような場所ということで「イスキア」と命名いたしました。
イタリアのナポリに、大富豪の息子であり美しく、教養の高い若者がいました。
地位も財産も能力にも恵まれ、何不自由ない生活を送っていたその青年が、ある夜、愛する美しい娘とボートで湖へ漕ぎ出し、娘が彼の愛を受け入れた時、彼はすべての点で満たされたと思った途端に、どうしようもない虚脱感と倦怠に襲われたのです。
何もかも退屈で何もする気持ちにならない彼が、ふと思いついたのは子供時代に、父親に連れられてよく訪ねたイスキア島のことでした。
少年時代のあのみずみずしい感覚、すべてのものに好奇心を持ち、生き生きと生きていた自分をもう一度取り戻したいと思った青年は、イスキア島へ出かけます。
今は廃墟となって誰一人住む者もない島の真ん中に教会があり、その一角にある司祭館に青年は住むことにしました。
地中海に浮かぶイスキア島から眺める風景は静寂につつまれ夜になると塔、城壁は月光を浴びて光り、一服の絵のような美しさでした。
この美しい光景を眺めているうちに青年は自分自身を見つめることができ、新たな力を得て、現実の生活に立ち戻ることができました。
楽に落ちついて、あなたの日々や、目標のことを考えられる場所、あなたがどこへ向かっているか、何をしているのか、人生におけるあなたの目標は何か、あなた自身とあなたの愛する者たちのため、生活に、より豊かな意義をどのように見つけるか考えられる場所・・・・
それが「イスキア」なのです。
『「イスキアの花」(昭和58年10月刊)より 』
「イスキア」の夢
人の温もりや思いやりを感じながら、最期の時まで過ごせる場所として、ホリスティックナーシングホームの設立をイスキアのビジョンとして持っています。
住み慣れた街で最期の時まで暮らしたくても、独り暮らしであったり、老々介護で介護のマンパワーが不足して住めない人達がいます。
そんな方々のために、街のイスキアホリスティックナーシングホームを利用できるようになれば・・・・というのがイスキアの夢です。
そこに暮らす人達は、動けるようであれば、気功やヨガをしたり、身体が喜ぶような食事を食べられ、美しい音楽を聴いたり、上質なアロマの香りをかいだり、心地よいマッサージを受けることができます。
ちょっとした庭があるので、庭に生えているハーブなどの植物から力を養うことができます。身体が想うようでいかなくても、心が穏やかになれるように瞑想をすることもできるでしょう。
医療との連携をしているので、もしもの時にも備えられます。最期を迎える時、できる限り苦痛を緩和する薬を使いながら、安寧な看取りをします。
そんなイスキアの夢を応援してくれる人を絶賛大募集です。
その夢を叶えるために動いてくれる方、土地や家を提供して下さる方、資金を支援して下さる方、どうぞお力を貸してください。イスキアの夢は、多くの人に願われているものとして、大切に育てていきたいと思っています。